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金沼の飛龍伝説
飛龍伝説縁起

 昔、この辺りに金沼と呼ぶ沼がございました。

 沼には一頭(ひとかしら)の 恐ろしい龍が棲んでおりました。

 龍は、村が稔りの秋を迎える頃となると必ず人身御供(ひとみごくう)として若い娘を一人差出させ、取り喰う悪行を慣わしとしていたのです。

 もし、それを怠った場合は、村中の田畑が一夜にして荒され、一粒の米もまめも見ることができない有様、村人は泣く泣く生贄の娘を年毎に捧げ続けてきたのでございました。

 その揚句、村から娘の姿が消え果てて、残るは村の庄屋の娘唯一人となうたのでございました。

 娘は芳紀正に十八才、花の顔(かんばせ)、白い立つような美しい娘でございました。


 その朝、娘は村人の歎きの声に送られて、龍の棲む金沼に向ったのでございます。
 覚悟を定めた娘は、白衣も涼やかに、日頃信心の経文を口ずさみながら、一巻の観音経を手にしておりました。

 やがて沼の面に黒雲が漂い、凄まじい水煙と共に姿を現しました。金色に輝く角、カッ!!と開いた顎との間から、真っ赤な炎を吐きながら、ただ一口にと襲いかかろうとした龍は不思議に一瞬ためらいを見せたのでございます。娘の口から流れ出る尊い、有難いお経の調べが龍の耳に届いたからでございます。

 しかし

                          それも束の間、龍は宙天高く舞い上がり、娘の
                          姿目掛けて飛び掛った瞬間、娘は手にした経                           文を振り上げて、龍の頭を発止と撃ったのでご                          ざいます。

 その途端、何という不思議、輝く角、鋭い牙など
が、砂のようにバラバラに崩れ落ち龍は見るも無

残な姿に変わり果てたのでございました。
 龍は、そのまま黒雲に乗り、西南の方、遥か金峯山の方角にむかって姿を消しました。
 
 庄屋の娘の信心の真心が、村を救ったのでございます。


 龍はその後、悔い改めて、金峯山に止まり、権現と変わって多くの人々を救ったと申します。




 これが飛龍伝説の縁起にまつわるお話でございます。


現在の金沼(庄内町深川)
――余目飛龍伝説より
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